中川ひろたか、カンレキ2周目ライブ!

1954年2月14日に生を受けて、2014年、60歳の誕生日を迎えることになりました。いわゆる、還暦っていうやつですね。ようやく、1周です。
10歳でビートルズに出会い、14歳で投稿したダジャレがラジオで読まれ高校、大学と、ホルンとホラを吹きながら保育園の先生になって、
1979年、はじめての本『あそびうたがいっぱい』を出版。以後、さまざまな人と出会い、さまざまな仕事をしてきました。
すべてが、偶然。すべてが、必然。そんな60年でした。これまで、出会ったいろいろをふりかえりつつ感謝する会を催すことにいたしました。
節目節目で、世話になった方々、刺激、影響を受けた方々を紹介しつつ、お互い作って来たものを披露する会です。
まだまだ、この先、この身体から、なにが生まれてくるかわかりません。そんなことが、楽しくて、日々、なにかを作り続けています。
長いこと、この動きを支援してくださった方も、つい最近、知り合えた方も、中川ひろたかの次の1周におつきあいいただきたいと思います。

開場

BGMは、上田浩司のピアノ。
ふざけた影アナは、福田りゅうぞう。
そんな影アナに、拍手が来た。
前代未聞。

開演

世界中のこどもたちが

詞 新沢としひこ 曲 中川ひろたか

オープニングは『世界中のこどもたちが』1987年新沢としひことの作品。
教科書にも載っている中川の代表曲。
この歌からスタートしたかったんだよね。
演奏は、モダンギャグカルテット(M.G.Q)
サックス:岡淳、ピアノ:大友剛、ベース:俵山昌之 ドラム:江藤良人

風邪ひきのゴーシュ

詞 新沢としひこ 曲 中川ひろたか

これも、新沢としひこと作った歌。ラテン風のアレンジの中、
メンバーの「ソロ回し」があり、コール&レスポンスもあるMGQの定番。
「カンレキだ」「カンレキだ」「おめでとう」「おめでとう」
お客さんと、こんなやりとり。盛り上がる。

いっぽんばしにほんばし

詞 湯浅とんぼ 曲 中川ひろたか

ここから様々な方々がゲストで登場。
トップバッターは、「自由すぎる老人」湯浅とんぼさん。
とんぼさんは、紹介をしている途中で出て来ちゃう。そこで、すでに爆笑。
で、出て来たと思ったら、自分からどんどん歌って(伴奏なんか気にしない)
歌ったと思ったら、自ら身を引くように帰ってしまう。
その一連のとんぼさんの行動が、この日一番よかったと言う人がけっこういた。

なんじゃもんじゃにんじゃ

詞 谷口國博 曲 中川ひろたか

2番手は、タニゾウこと谷口國博。
「平成の絶好調男」
2005年二人で作った『うたあそび研究所!』の時の衣装・白衣で登場。
当時のままの半ズボンを持って来たが、ウエストが入らなかったそうだ。
いかに中川が寝付きがいいかの話の後、二人で作った『なんじゃもんじゃにんじゃ』を披露。

いのち

詞 工藤直子 曲 中川ひろたか

ほしのこもりうた

詞 工藤直子 曲 中川ひろたか

「あんなののあとはやりにくい」と言いながら
「金魚みたいな服の」工藤直子さんと、ギターの下畑薫登場。
1991年に作った『のはらうた』から2曲うたう。
下畑薫は、11月15日60歳になった。還暦ほやほや。
工藤さんは、79歳というから、3人合わせて
ほぼ200歳のトリオということになる。
工藤さんには最近記録を出したという「やり投げ」のポーズもやってもらった。

なかがわひろたかのうた

詞 谷川俊太郎

そして、谷川俊太郎、賢作親子。
谷川さんには、この日のために詩をお願いしていて
ここでは『なかがわひろたかのうた』を披露。
まず、谷川さんが自作を朗読、つづけて
賢作さんのピアノと、中川のギターで歌った。
1978年の秋にサインをもらいに行ったのが最初の出会い。
考えてみれば、ゲストの中で、一番最初に会ったのは谷川さんということになる。
谷川さんが言った「インナーチャイルド」が印象的。


な か が わ ひ ろ た か の うた

うたのなかを ながれるかわは
ひろいのはらを ゆったりすすみ
たかいやまの ふもとをめぐり
うみを さがして まよってる

さららん きららん うみはどこ

うたのなかを ながれるかわは
たにをながれる かわとともだち
いつかどこかで ひとつになって
うみをめざして きょうもいく

さららん きららん かがやいて

輪になって

詞 中田佳彦 曲 中田佳彦

つづいて、ON'S。
野々歩と、大友剛
酒とバラを抱えて、登場。
一世を風靡したCM『ポポポポーン』を野々歩がうたい
そのあと、3人で『輪になって』を歌う。
さわやかで、美しいハーモニーだったね。

かわであそぼう

詞 中川ひろたか 山口たかし 高田さとし 鈴木翼  曲 山口たかし

「それでは、時間もないので一組とばして・・」と言ったら
「中川さん、中川さん・・・」とまるでダチョウ倶楽部のように登場した
ロケットくれよんと鈴木翼。
中川と4人で作ったあそびうた『かわであそぼう』を披露。
ガイド役のたかしくんがメロメロ。バッタバタの若手3人組だったが
おばさまたちからは、キャワイイ!との声しきり。

うさぎ野原のクリスマス

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

しずかなクリスマス

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

つづいて、ギターの佐藤克彦と、ピアノ友成好宏のデュオ「佐藤友成」
二人のアンサンブルは、ほんともう、極上品。
沸き返った会場も、ここで、静かに息を整えた感じ。
クリスマスの歌を2曲メドレーで演奏した。

さつまのおいも

文 中川ひろたか  絵 村上康成 童心社

8月6日のこと

文 中川ひろたか  絵 長谷川義史 ハモニカブックス

しーらんぺったん

文 中川ひろたか  絵 藤本ともひこ 世界文化社

次に、司会の寿太郎が登場。
3人の絵本作家を紹介する。
村上康成、長谷川義史、藤本ともひこの3人。
それぞれ、中川との思い出話や、人となりを話した後
中川と作った絵本を朗読した。

恋する二人

詞 中川ひろたか  曲 中川ひろたか

このゆびとまれ

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

そして、下中商会!
おなじみ『恋する二人』で幕が開き、
この日、発売されたアルバムの中から『このゆびとまれ』を披露。
ヘアースタイルで選ばれたサポートメンバー。
ベース:和田弘志、ドラム:江藤良人

エビカニクス

詞 増田裕子  曲 増田裕子

「レッツゴー!ケロポンズ!」の呼び込みで
登場してきたケロポンズ。
下中商会が伴奏をつとめての『エビカニクス』
中川もエレキギターかき鳴らしたよ。
ケロポンズは、その勢い、衣装、歌声、どれもすばらしい。
じつに「華」そのものだ。
「同時代に生きていてよかった」と心底思うよ。

雪男のヨーデル

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

コンサートも、いよいよ佳境に。
クニ河内師匠が登場。工務店のおじさんかといった、イデタチ。
椅子にすわるなり、独特のテンポと間で話し始めるのだが、これが
何を言っているのか、さっぱりわからない。なんにもわからないまま、歌に突入。
二人で歌う『雪男のヨーデル』の掛け合い。いつ終わるとも知れない歌に
ムリヤリ、ギュイーンとギターで終わらせた下畑薫はエラかった。
途中、驚愕のクニさんピアノソロ、これが聴けただけで、今日来てよかったという人、多数。

はじめの一歩

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

そして、新沢としひこ登場。
新沢は、まぁ、しゃべる、しゃべる。
子どもの歌の作曲家として中川は「人類史上最高」なんだって。
ぼくは、そのことをみんなに話して行く義務があるというんだけど
話すより、本に書いてよね。と言ったら「うーん」だって。
めんどくさがり屋なんだからぁ。
で、二人で歌ったのは『はじめの一歩』
2周目にふさわしいと思ったのか
客席で泣いている人、多数。

にじ

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

うたが終わっても、まだしゃべりつづける新沢だったが、
次のゲスト、つるの剛士さんが待っているので呼ぶ。
きれいな青い靴と、赤い帽子が印象的なつるのさん、きれい!
さすがです。華やかさがハンパない。
つるのさんは、ぼくのこと「なかがわせんせ」というんだけど(ゲストじゃ唯一)
ほんとに、子どもの頃から、ぼくの歌を聞いて育ったって。
本編最後の曲、つるのさんもカバーした『にじ』を歌う。

アンコール

おーいかばくん

詞 中川いつこ  曲 中川ひろたか

ぼくの孫のおばあちゃんと、昔作った歌『おーいかばくん』を歌う。
考えてみれば、谷川さんのサイン会に一緒に行った直後くらいかな、
「歌詞かいてよ」とたのんだら、来たのが、これだった。
この日は、たんたんと、うたってみた。
あとで、かっちゃんに、ギターをほめていただいた。

還暦ロック

詞 谷川俊太郎  曲 中川ひろたか

下中商会+岡淳+谷川賢作を呼び込む。
そして、谷川俊太郎さん。
谷川さんに書き下ろしてもらったもう1曲は
『還暦ロック』
もう、ばっちりな歌詞で、やっぱり、谷川さん、スゴイのです。
リハのときは「うたわないよ」とワルワル老人だったが、
本番では、ところどころ歌ってくれた。

ともだちになるために

詞 新沢としひこ  曲 中川ひろたか

最後、出演者全員呼び込んでの大団円。
この時、出演者全員のサイン入り赤いギターが、首謀者・藤本ともひこから贈られた。
最後の曲は『ともだちになるために』
トラや時代から歌って来ている歌だ。
ここは、増田裕子にピアノをお願いした。
ソロは、中川、つるの、新沢の3人。
とにかく、このシーンが一番でしたという声が多かった。
これらの人たちと、出会い、作り、歩んできた。
そんな様々が、見えて来たのだろう。
しかし、けっして、感傷でなく、懐古でもなく、
2周目に入ったばかりのこれからの「未来」が見えたからなのかもしれないね。

エンドロール

中川ひろたか全作品396作品を
年代順に並べた。
ゆっくり流すと、読みやすいが
ものすごい時間になる。
その辺の調整に試行錯誤したが
エンドロールをほめてくれる人が多かった。
BGMは、佐藤友成。
最後の写真に、もうひと笑い。
ありがとうございました。